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「おもてなし」の家⑤

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2024.05.16

おうちのはなし

来客のための空間

 こんな幸せな家族像を理想とするためには、どんな空間を持てば良いのでしょうか。寄りつく人との関係も変わりつつあり、昔ながらの和室の客間ではなさそうです。先のデータでもあげた通り、すでに接客の場は、リビングやダイニングが普通となってきています。

 たとえば大勢の人で囲めるような、ビッグテーブルをLDKに置くのはひとつの答えです。家族の数以上の椅子があれば、自然と人が寄りつく気運が高まります。

 もうひとつの答えは、LDKの片隅に、ちょっと空間が限られた小間を設けることです。オーディオルームやホームシアターなど、ちょっとした趣味を生かせる空間にしておくのも良いでしょう。

 こうした小間が、客人をもてなす空間として有効に働くことは、欧米人のホームパーティの成功例と、日本人の特性から理解することができます。

 ホームパーティの成功の秘訣は、とにかく、大勢の人を呼ぶことだけといいます。すれ違うのに互いを避けあうほど人がいると、良いパーティに参加したという印象が強まるのです。それは、親密距離まで近づいた体験が生み出している印象です。肩幅ほどの距離に敵意を抱いていない人が近づくことで、より友との親密度が高まるのです。

 ところが、日本人の中には社交性を必要とするホームぺーティを苦手とする人も少なくありません。人数が少なくても親密距離を演出するためには、空間が小さくなれば良いのです。その究極の姿が、小間の茶室であったと考えれば、客人をもてなすための日本人独特の知恵といえます。

 たとえば3畳あるいは4畳半の広さに、6~7人が入り込めば、親密距離になり仲が深まるのも間違いありません。普段は趣味の空間として活用しながら、客間としても活用するのです。

 たとえばLDKの部屋の中にもうひとつの部屋をつくるように考えても良いのかもしれません。あるいは逆に、LDKと離して、納戸のような小さな小部屋を隠れ家のようにするのも魅力的です。

 さらには庭の片隅に離れとしてつくる手もあります。それは茶室の発想そのものです。たとえ庭が広くなくても、隣地に背を向けて、小さな庭を挟んでLDKとのつながりを生かすのもよいでしょう。小間のつくり方への発想は、いくらでもあります。それに加えて、できれば客を迎える「おもてなし」の家を考えておくと、夢はまたさらに広がってゆくのかもしれません。

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