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ハーフな空間①

2025.02.22

おうちのはなし

 「変な家」とか「変な間取り」という本が出回っています。
マドリを眺めることは、意外と楽しいものです。
でも、平面的なつながりはイメージできても、立体的な空間をイメージするのにはちょっと慣れも必要です。
じつは家の中には、ちょっとした高さの工夫で活用できる空間があります。
勾配のある小屋裏空間など、マドリには表しにくいハーフな空間の活用です。

世界に共通の家

 この写真を見て、あなたはどこに国の家だとイメージするでしょうか?

 欧米の民家や、日本の民家でも、このような小屋裏2階建てや、小屋裏3階建ての家をたくさん見かけます。世界遺産となっている飛騨高山の合掌造りの家も、2階以上の合唱部分はいわゆる小屋組として作られているものです。

 北欧に限らず、南米のマチュピチュの遺跡を眺めていても、石造りの矢先に小屋を掛けていた痕跡が見られます。洋の東西を問わず、庶民の家として愛用されてきた家は、どうやら小屋裏を活用した家でした。

もちろん世界中の地域間で技術の伝承があるわけでもなく、原始的な家づくりの原点がここにあります。屋根をかけないことには家はできず、最も単純な家の造り方だからこそ、世界中の共通した家になっているのでしょう。いわばローテクな家の代表なのかもしれません。

 でもそんな基本的な考え方は、現代の家としても通用できるはずです。小屋裏のある家には、それなりのメリットがあります。

 なによりも雨仕舞が確実だったのでしょう。屋根には勾配がないと上手に雨を流すことができません。雨の降らない砂漠地帯でない限り、似たような屋根をかけることになります。しっかりと急こう配になる程、確実に雨を流すことができます。緩勾配の屋根は、金属板葺きなどの技術を必要としています。

 しかも小屋裏が利用できる空間になると知れば、じつはより効率的に空間を確保できます。

 壁を作るのは下階だけで、屋根が2階の壁を兼ねることになるので材料も手間も少なくなります。つまりコストが抑えられるということです。

 建てるのが楽なのか、コストが抑えられるからか、どちらが先かは分かりませんが、だからこそどの国でも建てられている家なのです。昨今の材料費や人件費の高騰を考えれば、現代でも有効な家づくりのヒントになりそうです。

 そして単純な形、単純な工事の建物は、メンテナンスの手間もかからず長持ちする家になります。さらにデザインの面でも、安心感を与えてくれる家として見ることができます。どの地域の風景の中に建てても馴染むことは間違いなく、さらに周囲の環境を尊重することにもなるはずです。

 また、近年、太陽光と載せることから、日本の家でも増えている片流れの家でも、むしろ寄棟や切妻の家以上に、小屋裏が活用できる可能性が拡がります。

 さらに北陸にある伝統的な塗師の家では、1階と2階の間に漆を乾燥させるための中間階に小屋裏のような空間を造る家もあります。こうした小屋裏や中間階収納などのマドリに表せないハーフな空間は、マドリにプラスαの魅力を与えてくれます。

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