笹倉ブログ 2024.06.30
おうちのはなし 2024.02.16
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2024.02.16
おうちのはなし
では、実際に家には、どれだけの炭素量が蓄えられているのでしょうか。
一般的な住宅では、およそ23.7㎥の木材が使われているといわれます。量として最も多く使われているのは、梁などの横架材です。下の階に有効な空間を作り床を支えるためには、それなりに大きな材を必要とします。横架材の割合は、1棟の家のおよそ35%に当たります。その次に、柱が17.3%あります。他に土台や小屋組みなど、基本的な家の骨組みであるスケルトン部の合計が65%を占め、約15㎥ほどあります。これらの木材のほとんどは、家が建っている間は残されてゆくものです。その他は間仕切りや壁や下地材などです。
この1棟に使われている木材には、CO2に換算してどれくらいの量が含まれているのでしょうか。
23.7㎥の木材は、比重から重さがかわります。木は水よりも軽く、樹種によっても比重は違います。スギは軽く、マツは少し重たくなります。ヒノキ程度の比重0.4とすれば
23.7×0.4=9.48トン
木材の成分の中で半分が炭素です。
9.48÷2=4.74トン
この炭素量から、CO2の量に換算すると、
4.74トン×(44/12)=17.38トン
1棟の家には、17トンものCO2を取り込んだ結果なのです。
この量は、1ヘクタールの水田が1年間に取り込むCO2量と一緒です。1ヘクタールは100メートル四方ですが、身近な小学校のプールで数えれば30カ所分となります。
水田よりもCO2を固定する能力の高いスギであれば、プール8つ分の広さのスギ林に相当します。家を守り続けることは、これだけの林を守り続けることと同じなのです。