
笹倉ブログ 2024.05.20
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2025.03.16
おうちのはなし
日本の植林の歴史は、城を築くためにも重ねられてきました。
しかし、神代にスサノオノミコトが心配したような樹木が少ない時期を、近年に迎えることになります。
それは太平洋戦争が終わった時です。
まさに国土を上げての戦いでもあったということです。
戦後、早々に植林されましたが、使える木材の量を確保することはできませんでした。
木の国であったはずの日本が、木材を輸入しなければならなかったのです。
木材をたくさん使うのは住宅です。
日本の風土に合うとも思えない軽量鉄骨造の家が世界に前例がないほど量産されたものも、このような背景があったからです。
一般的な木造住宅の木材の自給率も、およそ3割になりました。
たとえば近所で木造住宅の工事現場を見かけたら、柱は半分、梁であれば95%が外材の時代です。
しかし戦後の植林から昭和も100年となる今、奇跡の自然が息づく日本にはすっかり樹木が育ちました。
そして1995年頃より、天然材の蓄材量を人工林が抜きました。
日本の国土に1年間に増える木材量は、今では約1億㎥にもなります。
山に生える樹木が、1年に増やす年輪分の総量がそれだけあるのです。
しかも人工林は、定期的に伐採して更新してあげることも、大切な環境保護の方法です。
木材に関しては、日本はすでに資源国になっているのです。
でも家を建てる時に、建主が材を指定することはほとんどありません。
完成して覆われてしまえば、わからなくなるので木材への愛着も失われてしまったかのようです。
そこで、国も各自治体も様々な制度を用意して、地域の木材を活用する機会を増やそうとしています。