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呼吸する家⑥

2024.08.24

おうちのはなし

呼吸する家

 できる限り機械に頼らないで、快適な湿度をコントロールするにはどうしたら良いでしょう。
その答えは、ないにょりも呼吸する家をつくることです。

 昔の日本の家は、技術力の差もあって、よく風の抜ける家でした。
その上、無塗装の木材に障子や襖の紙、土塗りの壁など調湿性能のある材料でつくられていました。
これらは皆、呼吸をする材料といわれています。

 呼吸するといっても、生きて成長しているものではありません。
木材や紙や塗壁などの表面には細かい気孔があって、空気中の水蒸気を吐いたり、吸ったりしているのです。
つまり、呼吸するというのは水蒸気の出入りがある材料ということです。

 空気の中に水蒸気量が多ければ建材が呼吸して、湿度を下げてくれます。
逆に水蒸気量が少なければ、建材から放出して湿度を上げようとします。
つまり、呼吸する家には、ジメジメもカサカサも起きにくいのです。

 今では多くの住宅で、工業製品の内装材が使われています。
内装にビニールクロスを使えば、あふれた水蒸気を吸うこともできません。
傷つきにくく手入れのしやすいウレタン塗装のフローリングでは、乾燥した空気をうるおすことはできません。

 高断熱で高気密の性能の優れた住宅になればなるほど、湿度には敏感になります。
そのような住宅こそ、本来は呼吸する材料を使う方が良いのです。

 さまざまな材料の調湿性能についてはバラツキがあります。
どれくらいの水蒸気量を吸収する材料なのか、単位面積あたりで区分することもあります。
それぞれの建設企業によって、こだわりの建材があると思います。
湿度という曲者を扱いこなすためにも、しっかりはなしを聞いてみてください。

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