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呼吸する家③

2024.08.24

おうちのはなし

あってはならない結露

 蒸し暑い日本の夏には、ちょっと冷えた物を用意するとすぐに汗をかいて濡れてしまいます。これが結露です。

 結露も絶対水蒸気量で説明できます。
温度が高い部屋の空気の中にはたくさんの水蒸気量がありますが、冷えた物の近くでは温度が低くなるので絶対水蒸気量が下がり、水蒸気があふれて結露しているのです。
もちろん温度差が大きいほど、結露は起こりやすくなります。

 住宅では結露の問題の多くは、湿度の高い夏よりも冬に注意しなければなりません。
調理やお湯を沸かすことや、人が呼吸をすることでもたくさんの水蒸気が放出されています。
そこに部分的に温度が低い場所があると結露します。

 その代表が窓周りで、アルミのサッシ枠やガラス面などに、結露が見られます。
でも、これらの結露は見えるので拭き取ることも可能です。
住宅で怖い結露は、壁体内の結露です。これも絶対水蒸気量で考えるとわかります。

 断熱材というのは、文字通り熱が伝わらないように遮断する材料です。
つまり断熱性能が高いほど、断熱材の外と内で温度差があるということです。
住宅の壁では、冬には外側の表面が冷たく、内側は室温によって暖かくなっています。
その周辺の空気の絶対水蒸気量はこの温度に比例します。

 これに対して実際の水蒸気量を、どこで遮断するかによって結露が生まれる可能性が出てきます。
防湿層が断熱材の外側にあると、冷たい空気に触れて壁の内部で結露する可能性があるのです。
このため、防湿層の内側に必ず断熱材がなければいけません。
断熱材は外側の下地板を張ってから工事することが多いので、室内側である手前に防湿層が見えていることをしっかり確認してください。

 壁の内部結露は、完成すると見えなくなっているところで起きるので早期の発見も難しく、欠陥住宅になりかねません。
発生した結露は、断熱材に浸みこむと断熱性能が低下して、さらに内部結露を呼びます。
これらの湿気でカビが生えたり、シロアリや腐朽菌が繁殖したりすることもあります。
住宅の性能と耐久性を劣化させかねません。
内部結露はあってはならない結露です。

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