笹倉ブログ 2024.06.30
おうちのはなし 2023.10.19
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2023.10.19
おうちのはなし
この熊本地震発生後の調査結果である「益城町建物被害委員会報告」は、日本建築学会の中で発表されています。もっとも被害の大きかった益城町周辺では、517棟の家が倒壊もしくは大破という被害を受けました。
この統計では、対象となる木造住宅を、1981年5月以前に建てられた築36年以上の家と、2000年5月までに建てられた築15年以内の家、そしてその間に建てられた家に分けて被害状況を分析しています。
2000年以降に建てられた家は、全体の中では14%弱しかありませんでしたが、倒壊は3%、大破が4%で、無被害が半数を超えました。一方、1981年以前に建てられた家は、半数が大破となり、無被害はわずか4%です。その中間期の建物の大破以上は20%に抑えられましたが、80%の建物に被害が発生しています。
単純に考えれば、家は古くなるほど傷んで弱くなると考えたくなります。また、古い家ほど瓦を乗せている家も多く、屋根が重たい家ほど倒れやすいという分析もありえます。
しかし、今回の調査が行われた目的は、これまでに制定された耐震の基準が、どれだけ効果を発揮しているのかを検証しているものです。間違いなく、耐震基準は十分に効果を発揮しているように見えます。
この熊本地震の被害状況を、全国に当てはめてみると、倒壊か大破する可能性がある家の数は、合計すると900万戸で、2240万人が住んでいることになります。