笹倉ブログ 2024.06.30
おうちのはなし 2023.10.19
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2023.10.19
おうちのはなし
中小規模の地震では建物の損傷を防ぎ、大地震では人の命を守るというビジョンができたのもこの時です。地震力による変形の量を計算して、より詳しく建物の耐震性を判断します。
新耐震基準以降、国の耐震性評価のデータでも、1981年5月以降と以前の建物を区別して統計を取り、以前の建物は耐震性がないものとされているほどです。もし、既存の建築物に住むことを検討する際には、1981年は覚えておかなければいけない大事な境目の年となっています。
そして、1995年に阪神淡路大震災が起きます。新耐震基準で建てられた建造物も被害を受けるのです。この時、神戸海洋気象台が記録した地盤面加速度のデータは818ガルで、関東大震災の倍以上を記録しています。
さらに、1999年の「住宅の品質確保の促進に関する法律(品確法)」の施行に伴う住宅の性能表示と合わせて、2000年に「新・新耐震基準」が定められます。木造建築物では、接合部の金物による補強や基礎との強固な緊結など、耐震対策が追加されます。
当然のことながら、これらの基準は厳しくなるばかりで、世界で最も厳しい耐震基準といわれるようになりました。くしくも、この年に鳥取県西部地震などで、観測史上最も多くの震度3以上の地震数を数えることになります。
そして同時に、品確法の性能表示としての耐震等級が定められました。基準の1.25倍の強さがあれば耐震等級2で、1.5倍の強さを耐震等級3の最高等級としています。
その後、中越地震や東日本大震災では、地盤面加速度は1000ガルを観測し、激しい地震を経験する度に耐震基準が確認されます。
さらに2016年に、考え方を改めさせられるような地震にみまわれます。熊本地震では、連日の大きな揺れを計測し、前震と本震という新しい言葉で説明しなければならないような事象が起きました。