笹倉ブログ 2024.06.30
おうちのはなし 2024.01.27
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2024.01.22
おうちのはなし
こうした木材の強度を等級区分することを、グレーディングといいます。いわば強度に合わせてグレード分けするのですが、使われているのは統計学です。
昔は実際に使われる木材の強度を試験したデータは少なかったのですが、現代になって豊富にデータが集められました。以前は欠点のない試験体で強度を測定し、強度を低下させるような要素をマイナス評価して強度の分布を想定していました。
今でも目視による、等級区分は生かされています。その指標には、節・丸身・目まわり・貫通割れ・繊維傾斜・平均年輪幅・腐朽・曲がりなどがあります。丸身は丸太の一部が残されたもので、目まわりは年輪に沿ってできた割れ、繊維傾斜はいわゆるねじれです。
これに対して、グレーディングマシンという機械に通して木材の強度を区分する方法があります。機械に通る時に力を加えることや、木材を叩いてその音を分析して強度を測ります。
さらに平均値と5%下限値を設定して、統計的に木材の基準強度を定め等級区分されています。この強度基準が、許容応力として構造計算に使われます。
木材は科学的にも安心して使える材料になっているのです。
また、こうして使われる木材を、自社で森林を所有し。育てて、建てている会社は希少です。中には産地と契約して国産材の普及に努めている企業もありますが、ほとんどの建設会社は木材の市場から調達しています。
日本は国土の70%が森林で、戦後に植林した木材が育ち資源となっていますが、木材は世界中に豊かにあるわけでもありません。今では中国や韓国にも日本の木材は輸出され始めています。スギやヒノキは人気樹種のひとつです。
中国も広い国土に植林を進め、今では世界一人工林があるといわれます。それでも国民一人あたりの木材量で比較すれば、日本の30%ほどしかありません。エネルギーや食糧と同じように、世界的な木材需要もこれから先、高まるに違いありません。
現実にウクライナの戦争でロシアの木材流通が止まり世界的な木材不足が起きました。木材価格が高騰して手に入りにくい時期が続きました。
いずれにせよ、木材の種類と量で、家の資産価値を評価することも考えられます。自分の家に、どのような木をどれだけ使っているのか、しっかりと知っておきたいものです。
住宅の強度や耐朽性、そしてコストまで大きく関わる木材です。建設会社の人たちとも、じっくり話をしてみてはいかがでしょうか。