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命を守る家⑤

2023.09.17

おうちのはなし

●家の中の危険な場所

溺水による不慮の事故がニュースで流れる時は、プールや河川でのケースがほとんどです。ですから、家の中で起きている溺水事故の現実を知らない人が多いようです。ただ、珍しいことでなければニュースにならないという理由ではありません。

 事故の原因に、本人もしくは介護者など周囲の人の不注意が上げられるからです。溺水という不慮の事故によって身内を失ったことのショックに加えて、ニュースに流れることで2度目のショックを受けることになってしまいます。

 それだけに、日常的な家の中で溺水という事故が起き、交通事故の倍、阪神淡路大震災に匹敵するほどの人が亡くなっているという事実を知り、肝に命じておくことは大事なことです。

 実際の事例では、深さが10㎝でも溺死しているケースがあります。何らかのきっかけで、気を失って倒れてしまえば、結果的に溺水が直接的な死因となってしまいます。

 また、家庭内の溺水事故は、発生している件数の統計が取りにくい事故でもあります。怪我などの場合は、治療のため医療機関に行くことで医学界の統計が取れますが、溺水事故は無事であれば医師にかかることも少なくなります。そのため医学界でも、家庭内の溺水事故の発生件数はつかめないのです。

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