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古民家の魅力と再生⑤

2023.10.29

おうちのはなし

・古民家だからできること

こうした省エネと耐震補強の工事を行えば、設備などの機能を加え、新しい暮らしを作るのはリフォームと大差はありません。むしろ古民家だからこそ、リノベーションに向いている側面がないわけではありません。

  じつは古民家と呼ばれるような家は、比較的単純な構造をしています。和室の続き間や広縁があるような家は、間取りが「田」の字のように組まれていて、柱の配置も基盤の目のように規則正しく配置されているのです。

 バランスが崩れた間取りで、耐力となる壁や梁が複雑に配置されていると、新しい家として生まれ変わることが難しくなります。また、材料を細くしてコストを下げるために、細かい梁や柱を乱立させた家も、大規模なリノベーションには向いていません。

 それはそのまま、既存住宅を探す時のポイントになります。なかなか見えにくい点でもありますが、外壁や屋根の形状が複雑であるほど、リノベーションしにくい傾向があるといえるでしょう。現実的に、純粋な古民家の多くは、技術もなかったので単純な形をしているものがほとんどです。

 もし新築を考える場合でも、自由設計と言われて間取りばかりに気を取られるよりも、しっかりと柱や梁の配置を考えておくことの方が大事です。将来の子や孫たちがリノベーションして使いやすくするのも、あるいは将来の流通市場に価値のある住宅となるポイントも古民家の中にあるといえるのです。

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