笹倉ブログ 2024.06.30
おうちのはなし 2023.10.29
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2023.10.29
おうちのはなし
古民家再生の事例では、家を再生して残そうとするのは男性よりも女性の方が多いと聞きます。親や自分が育ってきた家を、ずっと残してほしいと願うのだそうです。
反面、家の快適さに敏感なのも女性です。たとえ価値が高くても、寒くて使いにくいままの家を願っているわけでもありません。古民家再生では、暮らし方を変えるだけではなく、家の性能を向上させる技術も必要としています。
性能に関わる共有部を扱うことができないマンションと、戸建て住宅のリノベーションでは大きく異なるポイントです。
この時の家の性能には、主に耐震性と断熱性があげられます。耐震性や省エネ性を充当する方法はいくらでもあります。
たとえば白蟻の心配でも、ちょっと驚く新技術があります。スマホの性能が向上しているように、センサー技術が向上し、人の生体反応であれば3m離れたところからでも、皮膚の動きや振動から、脈拍・呼吸数・胎動がわかるバイタルセンサーが開発され、健康管理に使われています。このようなセンサーを応用させれば、外壁材の上からでも白蟻の生息を観測できるのです。直す場所をあらかじめ想定することも難しいことではなくなるかもしれません。
古民家再生の断熱性でも、新しい壁の中や屋根・床下にも断熱材を入れます。そして肝心の開口部に新しいサッシを取り付ければ、断熱性能は高まります。
最新のサッシは断熱の枠だけではなくガラスの選択肢も含めバリエーションも多く、性能は格段に向上しています。見た目は変わらない古民家のまま、現代住宅と同等の寒さや暑さ対策が施された家に生まれ変わるのです。
また、耐震性も補強する設計と工事には、いろいろな方法があります。
たとえば、地震への強度は、基本的には壁の量とバランスで決まります。またより強い壁を作れば、壁の量も調節できます。あらためて必要な耐力壁を計算してから補強をすれば、現在の基準に合わせた強度の家にすることができます。
問題は基礎の補強です。古民家の場合には基礎がない場合も多く、家をまるごとジャッキアップして基礎を作る方法などがとられます。すでに決して特殊なことではありません。