笹倉ブログ 2024.06.30
おうちのはなし 2024.02.02
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2024.02.02
おうちのはなし
ところがリビングは今、その存在感を無くしつつあります。特にLDK一体型の間取りでは、ダイニングの隣のスペースにすぎません。LDKの呼び方が残っているからリビングと呼んでいますが、ファミリールームの中のリビングスペースと考えた方がふさわしい使い方になっているようです。
そのリビングスペースにソファが置かれている家は6割強ほどで、床座の暮らしをしている家庭も多くあります。それでもテレビは、ほぼ間違いなくこのスペースに置かれています。つまり、リビングスペースがテレビの間となっているのです。そして家族がいれば、いそらく「ながら視聴」が行われています。そのように考えると、テレビの存在が間取りにも大きく影響を与えているということです。
さらにリビングスペースの空間にも、テレビは大きな影響を与えています。テレビを見る位置によって、上座と下座の席の関係を生み出しているのです。もちろんテレビを正面に見る場所が、上座のように扱われます。
この影響力は、まるで暖炉や床の間のようにも思えてきます。欧米の家では、暖炉がある場所がリビングであり家族が集まる場所です。暖炉の炎の揺らめきを感じながら、くつろぎのひと時を過ごします。暖炉の魅力を忘れられないからこそ、欧米ではテレビの間になっていません。たしかに冷静になって内容を吟味すれば、暖炉の炎と大して変わらない番組もたくさん流れています。
テレビの形が変わることによって、座席の位置も変わってきました。
部屋の隅にあったテレビが薄型テレビとなることで、壁を背負って置かれるようになりました。窓と向かい合うことも多くなり、反射が映りにくい画面も開発されます。当然のことながら、ソファも窓には向かわず、壁に向かって置かれることが増えます。リビングスペースは、まさにテレビの間として変化しているようです。