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家族の絆と家のかたち②

2024.01.27

おうちのはなし

・昔の家

 近代になって、じつは日本の家にはとても大きな変化がありました。その代表が、個室ができたことです。たくさん残されている古民家には、個室はありません。それは近代の日本が、西洋化という文化の大転換期を迎えた時に生まれたものです。そして今では、個室がある家はあたり前のかたちです。

 もうひとつ個室と同じように大きな変化をもたらした部位があります。それは玄関です。古来の家には、土間や縁側があって、家族はそこから出入りをしていました。それ以前に門や玄関を構えるのは、お上の許しがなければできませんでした。

 それは農家の作り方だけではなく、当時の都市型の町家でも一緒です。やはり土間があってそこから出入りをしています。玄関は、西洋の民主化が伝わり、平等な世の中になった象徴なのです。

 こうした変化が劇的に起きたかというと、じつはそうでもありません。ゆうに半世紀以上もかけて、ゆっくりと原価してきたことです。

 戦前までは、昔からの家がまだたくさん残っていました。現実に自分の体験として思い出を残している人たちもたくさんいます。

 本当の大転換が起きたのは、戦後のことです。敗戦で破壊された街や家々が建て直されることで、一気に新しい家ができました。しかも、できれば日本の古い伝統から脱却することが望まれた時代でもあります。

 国も先導して、新しい家のかたちを作り上げようとしました。DK=ダイニング・キッチンが生まれたのもこの時です。食事をする部屋と寝る場所を分けて、個室を作ることが推進されます。

 DKに集まり談笑する家族の姿が、まるでアメリカのホームドラマのような風景となり、家族の絆の象徴となります。

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