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おうちのはなし 2023.12.09
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2023.12.09
おうちのはなし
こうした建築の職人さんたちが活躍できるようになるまでには、それなりに鍛錬期間が必要です。思い立って急に職人になれるものでもありません。
さらに、技能だけではなく、日々使う道具なども自ら揃え、調整しておかなければなりません。職人には日頃の研鑽と努力が欠かせないのです。
家を建てるための建築資材があっても、それを組み上げる職人の手間がなければ形にはなりません。この手間賃は労務費として計上され、住宅価格の大きな要素となります。家は材料費と労務費、そして諸経費で住宅価格は決まります。
それは、大手住宅メーカーであっても、数百万円で家を建てるというローコストの住宅会社であっても変わりません。
わかりやすのは材料費で、安い建材を使えばコストが抑えれます。量産品として生産されているものを選んだり、大量に買いつけたりすることで、材料費を抑えます。大手メーカーもローコストメーカーも、材料費を抑えることに長けています。ただし、安易に材料費を下げれば、安普請の家になることは否めません。
同じように、労務費に対して厳しいコスト削減を行います。そのため、残念ながら腕の立つ職人を必要とする工事は避けられます。
たとえば、左官職人に頼むよりも内装工に、大工職人よりも組立工に、瓦職人よりも設置工でできる工事にすることでローコストが実現します。
その意味では、プレハブなどの工業化住宅もローコスト住宅も、職人の技術を使わないで、組み立てるようにして建てている住宅といえるかもしれません。もちろん、職人の代わりに組立工を育成し、諸経費を削減する努力も必要です。しかし、結果的には職人の手間賃をたたいてコストを下げることになっている企業もあります。
それに関わらず、大手メーカーは価格が高くなるのは結果的に職人に払う費用以上に、企業維持の経費や職人以外の間接的な人材に払う費用の違いということになります。こうした余分な経費が資産になるとは思えません。