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命を守る家①

2023.09.17

おうちのはなし

日本の死亡者数は年間150万人をゆうに超え、出生数は年間80万人を切り、人口の減少に歯止めがかからない状況です。また100年に1度のウイルスが襲い、災害級の降雨や日射が続きます。こうした多くの現象が、人口動態統計の中に記録されています。この人口動態統計を見ると、住宅の安全に関する思わぬ見方を発見することにもなります。

●人口動態統計

日本の人口が1億3000万人を切り、毎日のように少子化対策のニュースが流れ、深刻な将来問題を抱えていることが伝わってきます。それに加えて、コロナ禍や洪水などの激甚災害、それと灼熱による熱中症など生命の危険にもさらされているように感じます。ニュースで伝わる危機感をしっかりとしてデータで確認できるのが厚生労働省による人口動態統計です。

 この国の最も基幹となるデータの中には、出生数と死亡者数が、性別はもちろん、各都道府県に分けて集計されています。「命を守る家」をテーマにしようと思えば、この人口動態統計の中に記されている死亡者の内訳を分析すれば見えてきます。

 日本人では、2人に1人が発症するといわれる癌を始めとした疾病が、最も大きな死亡原因となっていることはだれでも簡単に想像できることだと思います。さらには高齢社会に伴い、老衰による死亡も17万人を超えています。そしてこの人口動態統計のデータの中で注目するのは、「不慮の事故」による死亡者の項目です。2005年以降の実数をグラフにしてみました。

 すると、真っ先に目につくピークがあります。2011年に多くの死亡者を出した東日本大震災の大津波による激甚災害です。病気で亡くなるのとは違い、突然に訪れる死という現実は残された人の心に刻まれると同時に、このように人口動態統計の中にもはっきりと刻まれているのです。

 このような大規模な災害があれば、多くの人は地震や台風などに強く、家族の命を守ってくれる家をと考えるのも当然のことです。安全性は、住宅の最も大事な機能のひとつです。

 人口動態統計の中では、大きな災害がなくても、毎年およそ4万人の人が不慮の事故で亡くなっています。不慮の事故といえば、交通事故を思い浮かべる人も多いかと思いますが、交通事故による死亡者数は大きく改善され、今や3500人にまで減ってきました。飲酒運転の厳罰化による法規制の効果も大きいと思われますが、自動車の安全性も大きく改善されてきた結果だと思われます。今後は、さらにAIによる自動運転等が普及すると、もっと死亡者数が減る可能性があります。

 このグラフの中に、自殺による死亡者の数を加えてみました。一時期3万人を超えていたのに比べれば減少してきましたが、それでも東日本大震災の犠牲者・行方不明者の数を超えます。数百年に一度といわれる大災害の犠牲者以上の命が、毎年、自殺によって失われていることになります。

 さらに、疾病の中からインフルエンザの死者数(2015年以降)と、人口動態統計上では「特殊目的用コード」に分類されている、新型コロナによる死亡者数も記載してみました。2012年には47,657人を超え、不慮の事故の死者数をも超えました。この期間、インフルエンザによる死者数が30人以下まで低下したのも周知のことですが、大災害を大きく超えるような災禍であったことが改めて確認できます。

 そして、さらにグラフに加えられているのは、不慮の事故における溺水者の数(2015年以降)です。この人口動態統計の数値が、家の命に関わる大切なはなしにつながってゆきます。

 

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