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202312/22

匂いの美学②

匂いの美学②

・匂いの不思議

 嗅覚の仕組みが分かってきたのは近年のことです。2004年のノーベル医学生理学賞で「におい」を認識し記憶するメカニズムを解析したとして、アメリカの2人の科学者、R.アクセル博士とL.B.バック博士に賞が与えられました。授賞理由も「人類のもっとも謎に包まれた感覚」の理解を高めたことにあります。

 しかも3色・5味・7音階のように単純な組み合わせではなく、約1000種の嗅覚受容体が働いているとあります。さらに他の感覚は脳の視床下部経由で大脳に届くのに対して、嗅覚は大脳辺縁系と連動して大脳の嗅覚野に届きます。

 大脳辺縁系は脳の中でも最も古い部位の一つであり、動物に共通する機能として関連している部位です。そして情動や記憶の形成にも関わりの深い部位でもあります。つまり人が感じている匂いとは、その人の記憶や思い出とも深い関係にある感覚ということがわかってきたのです。

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